必要なもの。

西加奈子さんの『きいろいゾウ』を読んだ。

もうすぐ映画も公開されるけど、
だからと言って、それで読もうと思ったわけではなくて、
西加奈子さんのことがずーっと気になってたから。

初めて知ったのは、
FUTURE TIMESでのゴッチとの対談記事。

これを読んで西さんに興味を持った。
きいろいゾウを選んだのはなぜだったかは思い出せない。
映画が公開されるのを知ったのはそのあとだった。

きいろいゾウ (小学館文庫)






以下、ちょっとネタバレになります。


自分にとって必要なものっていうのはなんだろうね。

この本の冒頭と終わりに、
ムコさんの必要なものが羅列されている。

そこには日常的なものや音やにおいなど。

必要なものというのは、
普段の日常の中に溢れてて、
いつも感じていられるものなんだろう。
そして、それらを感じることで、
日々の何気ない生活に楽しさを見出す。

ツマさんとムコさんの日常を楽しむ姿が
小説の書き出しから始まって、
一気に惹きつけられて、どんどん読み進むことができた。

あまりにもお互いを想ってしまい、
失うことの恐怖に繋がっていくけど、
最後にはそれをそれぞれが乗り越える。

誰しも、人に言えないことや、
忘れたい過去があると思うけど、
それらに引っ張られて、
目の前の大切なものから目を背けないようにしなければ。

そういうふうに感じた。

あと、大地君だね。
大地君の手紙がよかったな～。
ツマさんの自由さに惹かれて
早く大人になりたい、
つよしよわしの漫才を見て
面白くなかったけどかっこよかった、
そう言って、休んでいた学校に行き出す。
すごくよかった。

この前書いた記事に繋がるけど、
「ボケ」ている大人はかっこいいんだ。


♪『デジタルスープ』ユニコーン