自分も社会もどっちも素晴らしい世界だ。

僕はいつから「社会」に参加したのだろう。

漠然な問いなんだけど。

生まれたときからすでに社会の一員だ、
そう言われればそうだなぁと思うし、
仕事して1人前になったときだ、
と言われたらそんな気もするし。

まあでもやっぱり会社に就職した24歳のときだろうか。

僕は自分で言うのもなんだけど、
子どもの頃、わりと成績はいい方で、
勉強することも嫌いではなかったかも。
ただ、進学欲というものはあまりなかった。
周りにはそう見えてなかったかもだけど。

中学3年の頃、
当初、建築科のある工業高校へ入りたかった。
親はそれよりも高専や進学校へ行かせたがった。
進学校へ行った方が選択肢が広がるという説得を受けて、
地元の進学校へ行くことにした。

高校3年の頃、
将来への漠然な想いとして、
仕事は毎日するものだから、
やっぱり自分が好きで楽しめるものだった方がいい、
そんなことを思っていて。

好きなものは何かというと、
やっぱり音楽を聴くことが圧倒的に好きだった。
だから、音響設計という学科がある大学に行きたかった。
しかし、その大学へ行くための学力が足りなかったし、
浪人はさせない、という親の方針があったので、
その道は諦め、別の大学を受験、そして合格した。

本当は、音楽関連の専門学校でもよかったから、
とにかく音楽と関われる方向へ行きたかった、
という思いはあった。

大学4年の頃、
当初は就職活動的なこともしていたような気がする。
ただ、このままどこかの会社に入っても、
何も役に立たないんじゃないか、
そういう不安もあって、大学院への進学を決めた。
親は就職してほしかったみたいだが、
説明したら納得してくれた。

大学院2年の頃、
このときは進学を一切考えなかった。
社会に出ずに大学に残っていることに違和感があった。
それに、関東に行きたい、という思いもあった。
いろいろ考えた結果、NHKの採用試験を受けた。

NHKを受けたのは、
安定してるからとかそういう考えはなくて、
自分が大学で学んだ技術で、
好きな文化に携わりたいという想いからだった。

しかし最初の書類選考から数えて5回目の
最終試験で落ちてしまった。
他のテレビ関係へ行こうとは思ってなかったから、
そのあと学校推薦枠のあった会社を、
なんとなくエントリーして、その会社に内定をもらった。
NHK落ちたあとは、とにかく就職を決めなければ、
そういうことしか考えてなかった気がする。

そうして、いわゆる「社会人」となって、
「会社」を通して「社会」を見て、
そこに自分を合わせていこうと努力した。
その結果、楽しいこともつらいことも経験したし、
自分と世間一般との価値観のギャップにも気づいたりもした。


昨日の夜、
オードリー若林正恭の
『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読んだ。

寝る前に読み始めたんだけど、
面白くて面白くて、
読み終わったときには朝方だった。

若林は学生の頃から、
「自分」と「社会」との関係性に
こだわってきたのかなと。

僕はどうだったんだろう？
そんなことを考えてたら、
高校受験から入社するまでのことを思い出した。
振り返ると、信念があるようでないような、
なんか中途半端に選択してきたようにも見えるな。

そのときはそのときの考えで選択したんだから、
良いも悪いもないのだろう。
これまでのことは否定できないし。

社会人大学人見知り学部 卒業見込 (ダ・ヴィンチブックス)



共感する部分も気づかされる部分もたくさんあるエッセイだった。

ということで、
僕も自意識過剰＆人見知り、
さらにいえば、あまのじゃく。
なんて面倒くさい人間なんだ！
と気づいたので、まあ、めでたしめでたし。
（なんだそれ）